ストーリーが終わって

「宇宙人のホームステイ」のストーリーも終わりました。
地球とエアという二つの星の少年のお話です。
出身地が違っても、宇宙の友情を願う気持ちは同じ。
子供たちは、優しい心を持っています。
もし、子供が宇宙人と出会ったらどうなるかな、と思いながら書きました。
映画のように、侵略か戦争か、という展開になるでしょうか?
子供同士ならきっと、一緒に遊びたくなるのではないでしょうか?
そして、それが、本来の人間の姿では?と思うのです。
次の宇宙の時代は、子供たちが作っていきます。
もしかしたら、そのときには、ちがう星どうしでも、お友達になれる時代かもしれません。
地球上にも、たくさんの国があります。
国が違っても、お友達になれます。
楽しい、嬉しい、と思う気持ちは、皆、同じ。
人間と動物だって、仲良くできるんです。
ならば、星が違っても、同じではないでしょうか。
そう考えると、宇宙人とお友達になるのって、とてもかんたんなことのように思えるのです。

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宇宙人のホームステイ 17

(17)

ボクの部屋に戻った。

もう夜になって月が出ていたので、天体望遠鏡で見てみた。
2週間前までは、ボクは一人で夜空を眺めていた。
今は、アキトくんと一緒だ。

キラっと銀色の光が見えた。
先生の宇宙船が、時間だよ、と合図してきた。
アキトくんは、立ち上がった。

「さあ、行かなくちゃ。」

ボクは、急にとても悲しくなった。
アキトくんが行っちゃう!

ボクはまた一人で天体望遠鏡を眺めることになるんだ。
せっかく宇宙人とお友達になれたのに。
宇宙人がいるなんて、信じている人は、ボクの周りには誰もいない。

「いやだよ!アキトくん、帰らないでよ!」

ボクは、男の子なのにみっともない、と思いながらも、涙声になってしまった。

「すごく楽しかった!もっといてもいいんだよ!」

お父さんもお母さんも、アキトくんの様子を見に来た。
ボクは、こらえきれなくなって、うわーんと泣いてしまった。

「あきらくん、また会えるよ。
ぼくと一緒に、大事なお仕事をしてもらいたいんだ。
地球が宇宙人の仲間入りができるかどうか、君の役割も必要なんだよ。」

え?そうなの?
そのとき、円盤から先生の声がした。

「あきらくんのお父さん、お母さん、そしてあきらくん。
2週間、とてもお世話になりました。ありがとうございました。
素晴らしい滞在になりました。
私も、とても満足しています。
あきらくんには、また協力してもらいたいことがあります。
アキトと、定期的に連絡をとってもらいたいのです。
あきらくんの優しい心、平和を思う気持ちは、私たちの波動にぴったり合うのです。
地球はこれから、大きな変化を迎えます。
そのときに、あきらくんとアキトは、子供の代表として、ぜひがんばってもらいたいのです。」

ボクは、びっくりした。
アキトくんと、これからも連絡を取り合っていいなんて!
夢みたいだ!
アキトくんは、ボクの宇宙の親友だ!やったー!

「先生、ありがとうございます。
ボク、これからもアキトくんとお話できるなんて、とっても嬉しいです。」

アキトくんは、ボクに石みたいなものをくれた。

「これは、遠く離れていても通信できるものだよ。
今度は、頭の中で会話ができるよ。」

それは、黒くてメタリックに輝いていて、宇宙的に見えた。

「ありがとう。アキトくん、今度は君の星の様子を教えてよ。」

ボクたちは約束した。

ボクの宇宙の親友は、円盤に戻っていった。
ボクは、天体望遠鏡で眺めた。

空で、何回か飛んでくれたあと、とつぜん消えて見えなくなった。
エアという星へ帰ったんだろうな。

すごい夏休みだった。
ボクの夢が叶ったんだ。
今度会うときは、大事なお仕事があるんだって。
その日を、楽しみに待っていよう。



  

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宇宙人のホームステイ 16

(16)

あっという間に2週間がたった。
ボクはアキトくんがいる生活が、もう当たり前になっていた。
ボクたちは、いろいろなことを話し合った。
遊びのこと、勉強のこと、食べ物のこと、星のこと、宇宙のこと、など。
アキトくんは子供なのに、本当によく知っている。
ボクはすっかり感心していた。

「今日で2週間が終わったね。地球の生活は、とても楽しかったよ。」

夕食のあと、アキトくんがそう言い出した。
ボクは、胸がズキンと痛んだ。
そうだ、終わってしまう。
お父さんもお母さんも、顔を見合わせた。

「アキトくん、寂しくなるな。
私も、君がこの家の子供のような気がしてきたよ。」

「あきらくんのお父さん、ありがとうございます。
ぼくを滞在させてくださって、ありがとうございました。
こんなふうに暖かく受け入れてもらって、ぼくは嬉しかったです。
自分の星の友達や家族に、みやげ話がたくさんできました。
そして、地球の人達が優しくて、感動しました。
ぼくは、帰ったら、レポートを書きます。
地球の生活と、地球の人達を、みんなに紹介するためです。」

「そしたら、もっとたくさんの子供たちが、地球に遊びに来るかしら?」

お母さんは、ちょっと嬉しそうだった。
もっと宇宙人の子供のお世話をしたいんだって。

「あきらくんのお母さん、今度は、大人も来ると思います。
でも、それは大事なお仕事になります。
この地球が、宇宙人の仲間入りをできるかどうか、決めるための話し合いになると思います。
ぼくはその仕事のお手伝いもするために、地球に来たんです。」

ボクは驚いた。
てっきり、アキトくんの夏休みの宿題のためだけかと思っていたんだ。

「もちろん、ぼくの夏休みの宿題でもあるよ。
でも、そのレポートが、もっと多くのことに使われるっていうこと。
大事なことなんだよ。
地球の人達が、宇宙人として、みんなと仲良くできるかどうかを判断しないといけないんだから。」

「できるかな。」

ボクは、少し心配になった。

「きっと大丈夫。」

アキトくんはいつものように笑った。


 

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宇宙人のホームステイ 15

(15)

「その話は、ボクたちもよく聞いて知っています。
これは地球だけの問題ではありません。
人々の恐怖、憎悪、暴力、攻撃、といった波動が、宇宙に流れ出し、ほかの星にも致命的な被害を与えたのです。
宇宙では、エネルギーがすべてです。悪い波動を持ったエネルギーは、ほかの生命体にも害を与えます。」

アキトくんは、さらに続けた。

「この原子爆弾が使われたことで、ほかの太陽系の運行にも影響を与えました。軌道が少しずれたところもありました。」

ボクたちは、びっくりした。地球の上の話なのに、宇宙中に影響を与える?
ほんとう?
お父さんもお母さんもボクも、顔を見合わせた。

「はい、本当です。そして原子爆弾が落ちたときには、宇宙中に地球の悲鳴が響き渡ったそうです。」

ボクたちは、黙ってしまった。

だれも何も言えなかった。

テレビでは、まだヒロシマの様子が中継されていた。
ほかの国で、被爆や平和のことを歌った歌も流れていた。
中央アジアのある国では、核実験で多くの人が被爆して、それが市民運動になって、核実験を中止させることができたそうだ。
彼らは、平和のための歌を歌っている。
「ザマナイ」というタイトルの歌だった。

お父さんが、やっと口を開いた。

「私たちは、もっともっと、多くのことを反省しなければいけないのだな。」

アキトくんは、笑顔になった。

「でも、あなた方はこうやって平和を祈る式典をしています。
多くの地球人が平和のために、働いていることも、私たちは知っています。
もうすぐ、あなた方も、ほかの宇宙人たちと会うことができますよ。
近い将来、もうすぐです。
宇宙の仲間たちは、宇宙の平和と、友情を望んでいます。
地球にも、早く友達として仲間入りしてもらいたいと、みな、そう思っています。」

「早く、そんな時代になってもらいたいものだ。」

お父さんはため息をついた。

さっきの歌、「ザマナイ」とは、「時代」という意味だそうだ。

 

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宇宙人のホームステイ 14

(14)

ボクたちは、朝ごはんを食べるためにリビングルームに行った。
ちょうどテレビでニュースをやっていた。
広島からの中継だった。

そうだ、今日は8月6日、ヒロシマの日だった。
日曜日だったので、お父さんもいた。

アキトくんがいつものニュースと違うのに気がついたらしい。

「あれは何をしているのですか?何かの儀式ですか?」

と聞いた。

式典会場の中継だった。

「もう60年以上になるけれど、原子爆弾というものが、日本のヒロシマに落ちたんだよ。」

お父さんが、原爆の説明を始めた。

「たった一発で何十万人もの人が死んでしまった。この日には、こうやって平和のための式典をして、二度と原爆を繰り返さないようにしているんだよ。」

アキトくんは、じっとテレビを見ていた。

指が少し動いていたから、この様子も先生のいる宇宙船に報告しているのかな。

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宇宙人のホームステイ 13

(13)

博物館の休憩室に行って、ジュースを飲みながら、ボクは注意した。

「アキトくん、君の話は、普通の人にはびっくりするから、あまり大きな声で言わないで。」

「そうか、こういうことは、君たちには知らされていないのか。」

「あの、さっきの話、本当なの?君たちの星の研究者が地球人を作ったということ。」

「ああ、そうだよ。」

あまりにあっさりと言われたので、ボクは考え込んでしまった。
SF映画みたいなことになってきた、と思った。
そもそも、宇宙人の子供と友達になったこと自体が、SF映画よりすごいことだけれど。

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宇宙人のホームステイ 12

(12)

博物館についた。

夏休みなので、特別展もやっている。
原人と呼ばれる大昔の人間の骨も見られるらしい。
アキトくんは、またおもしろそうに、キョロキョロしていた。

恐竜の骨を見た。

「これは知っているよ。地球には、大昔、巨大な動物がいたんだよね。
哺乳類だったものもいるみたいだよ。
あと、巨大な鳥も。極楽鳥のように、とてもきれいな色をしていたんだって。」

「どうしてそんなこと知っているの?」

「ぼくたちのタイムリーダーという機械で、地球の歴史を読み取ったのさ。
君たちのテレビみたいなものだよ。」

ボクは、びっくりして口がきけなかった。

次に、原人の骨が展示されているところに行った。

「これも知っているよ!この前、学校で習ったんだ。
君たちの祖先の原人は、ボクたちの星の研究者が作ったんだって。
地球には、大きな研究室があって、遺伝子の研究をしていたと、教わったよ。
だから、ボクは地球に来てみたかったんだ!」

アキトくんは興奮して、大声でしゃべっていた。
隣にいたおばさんと男の子が、ヘンな顔で振り返った。
お母さんは、あせっていた。

ボクは、一瞬、なんのことか分からなかったが、周りの人達の様子を見て、ちょっとマズイかなと思った。

お母さんは、

「さあ、お茶でも飲みましょう。」

と言って、ボクとアキトくんをあわてて、展示室から連れ出した。

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宇宙人のホームステイ 11

(11)

ホームに下りると、行き先と時間が書いてある電光表示板とか、時計とか、いろいろなものを写真に撮っていた。

とつぜん、ゴーーーーっと音がした。電車が来たんだ。

うわーっと言って、またアキトくんは耳をふさいだ。どうしたんだろう。

電車が到着して、ボクたちは乗り込んだ。
アキトくんは、ヘンな顔をして、疲れているみたいだった。

「どうしたの?」

ボクはちょっと心配になった。

「君たちの電車は、こんな音がするの?これはひどいな。」
「どういう意味?」
「ボクたちの星では、こんな音はしないんだよ。
音というのも波動のひとつだから、すごく大きな音を突然聞いたりするのは、体によくないんだ。
建物などを壊すときにも、音は使えるんだよ。
瞬間的に巨大な音波を当てると、分子の結合がはずれて、壊れるんだ。
つまり、音には、使い方によってはそれだけ破壊力があるということ。
いつもこんな音を聞いているのは、体にとっては大変なんだよ。」

そうだったのか。ボクは知らなかった。
だから、さっき、バイクの音にもびっくりしたんだ。

「逆に、調和した音の周波数を使えば、騒音はきれいな音楽になる。
ボクたちの宇宙船は、飛び立つときも、きれいな音がでるんだよ。」

えー?そうなの?
機械からきれいな音が出るなんて、びっくりした。

アキトくんの星の科学は、本当にすごいみたいだ。
ボクと同じくらいの年なのに、そんなことまで知っているなんて。

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宇宙人のホームステイ 10

(10)

次の日、ボクとアキトくんは、外出することにした。
アキトくんの話だと、エアという星の学校で、地球の様子のビデオを見てきたんだって。
だから、建物とか街の様子とか、けっこう知っているらしい。

お母さんと話し合って、3人で博物館に行くことにした。
恐竜の骨とか、宇宙の星の模型とかがあるところ。
ボクの夏休みの宿題ネタにもなるし、アキトくんにも、地球の子供たちが行くところを見せてあげられる。

外に出た。

大通りを歩いていると、後ろから、ブーーーンとバイクがすごい音で近づいてきた。
アキトくんは、うわーっと言って、飛び上がった。
びっくりして振り返ったらしい。

そして、バイクが通り過ぎると、ため息をついた。
「すごい音だねえ。君たちは、こんな音をいつも聞いているの?」
ボクには、いつもと同じ道路の光景だったけれど、アキトくんはびっくりしたみたいだ。

次は、地下鉄の駅に行った。
アキトくんは、キョロキョロしていた。指をチカチカと、少し動かしていた。

「何しているの?」

ボクは聞いてみた。

「これは、写真を撮っているんだよ。空から街の様子は見ることができるけれど、地球の地下鉄の中まで行った人は、そんなに多くないんだ。この映像は貴重だよ。」

へえ、そうか。
そうだよな、いくらすごい科学力を持った宇宙人だって、いつでもカンタンに地上に来られるわけではないよな。

アキトくんは、切符を改札に入れるところや券売機を、とてもおもしろがっていた。
おもちゃに見えるらしい。

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宇宙人のホームステイ 9

(9)

2階のボクの部屋で、アキトくんも寝泊りすることになった。

お母さんが布団を運んできた。

「本当に、まだ信じられないわねえ。宇宙人の子供がこの家に来るなんて。」

「あきらくんのお母さん、これからお世話になります。よろしくお願いします。」

「あの、食事は私たちと同じでいいのかしら?」

「はい、ボクは肉は少し苦手ですが、地球のものと同じものを食べてみたいと思います。」

お母さんは、安心したみたい。
それに、新しい子が来た、と喜んでいた。

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