宇宙人のホームステイ 8

(8)

しばらく誰も声を出さなかった。

お父さんもお母さんも、腰が抜けてしまって、声もでないみたいだった。

いつのまにかアキトくんは、さっきの大きさに戻っていた。

「ね?いい?お父さん、お母さん、本物の宇宙人の男の子なんだよ。
うちで預かってあげようよ。ボクも夏休みなんだし、いいでしょう?
おもしろいよ!」

しばらくしたあと、最初に、お母さんがうなづいた。
お父さんは何もいえなかったけれど、たぶんいいみたい。

先生の声がした。

「ありがとうございます。では、地球の時間で、2週間、アキトをお願いします。地球の普通の生活を見せてあげてください。」

やっほー!ボクの家に、宇宙人の男の子がホームステイすることになった。
ボクは、今度こそ、大きくジャンプした。

 

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宇宙人のホームステイ 7

(7)

お父さんとお母さんは、変な顔をしながら、リビングルームにいた。
ヒソヒソと何か話し合っていた。

ボクとアキトは、部屋に入っていった。
 
「あー、君か?その、遠くから来たという家出少年は。」

お父さんは、今にも警察に電話しそうな雰囲気だ。
お母さんは、心配そうな顔をしている。

「はじめまして。ボクは、地球から遠く離れたエアという星から来ました。
名前は、アキトといいます。
学校の夏休みの宿題のレポートを書くために、地球にやってきました。
少しの間、お世話になってもいいでしょうか?
地球の生活のことを知りたいのです。
よろしくお願いします。」

立派な挨拶だった。
ボクだって、こんなふうに人前で話すのは難しいのに、アキトくんは、地球の言葉を上手にしゃべっている。
感心した。

お父さんは、大声で笑い出した。
 
「ずいぶん、立派な挨拶だ。しかし、それだけでは話にならん。
君の家にまず電話をして、ご両親と話さないといけないな。
番号を教えてくれ。」

「はい。では、今から、ボクの学校の先生にここに来てもらいます。いいですか?」

アキトくんは、少し指を動かしたように見えた。

すぐに、リビングルームにさっきの光が入ってきた。ピカーっとしたあと、
小さな円盤が、空中に浮かんでいた。
そして、アキトくんは、ボクたちの見ている前で、小さくなり始めた。
 
すると、部屋中に声が響いた。

「私はエアという星の学校の先生です。お話できて嬉しいです。
 ぜひ地球の方にお願いがあります。
 私の学校の生徒を、少しの間、預かってもらえないでしょうか。
 地球の生活について、レポートを書きたいそうです。お願いします。」

お父さんは、持っていた新聞を落として、ソファからずり落ちてしまった。
お母さんは、一度、立ち上がったあと、へなへなと、床に座り込んでしまった。

ボクは、そんな様子がおかしくて、ワクワクして頭がバクハツしそうで、
心臓が飛び出しそうで、大声で笑って、最高!とジャンプしたい気分だった。

だって、本物の宇宙人だよ!本物の円盤だよ!

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宇宙人のホームステイ 6

(6)

外の円盤は、まだいた。
よかった。
頭の中で話しかけてみた。

「ボクのお父さんに会ってもらわないと、話が進みません。
今からここに来てもらえますか?」

「いいですよ。私の生徒は、アキトという名前です。
これからアキトがそこに行きます。」

「えーと。彼は人間ですか?」

とたんに笑い声がした。

「ボクは君と同じ体だよ。」

男の子の声だった。
ふう。タコのような火星人でなくてよかった。
ボクは、ドキドキしながら待った。

ふわっと部屋の中に光が入ってきた。
と思ったら、もう目の前に男の子がいた。

へえ、これがアキト?
ボクと同じくらいの背だ。
まったく人間と同じだ。
よく見ると、耳が少しとがっている。
あと、親指が長い。
でも、あとはボクと同じ。
洋服も、Tシャツとズボンで、宇宙服でなかったのが少し残念だ。

ボクは、失礼だと思いながらも、初めて見る宇宙人に、すっかり興奮して、じろじろと見てしまった。
アキトくんは、にこにこと笑っている。
そうか、笑えばいいんだ。

「あははははは。」「あははははは。」

ボクはアキトくんと一緒に笑った。

「じゃあ、下に行こうよ。お父さんが、ちょっと怒っているんだ。
遠くから来た子供は、家出してきたとか、何か問題があると思っているんだ。」

ボクは、この宇宙人の男の子がすっかり好きになった。
見た瞬間に、気が合う、って思ったんだ。

これは、楽しい夏休みになりそうだぞ。

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宇宙人のホームステイ 5

(5)

ボクの部屋は2階にあるから、とりあえず、下のリビングルームに行ってみた。
お父さんは新聞を読んで、お母さんはテレビを見ていた。

ボクは、深呼吸をした。

「お父さん、お母さん、ちょっと話があるんだけれど。」

「あら、あきらくん、どうしたの?」

お母さんは、不思議そうな顔をした。

「じつは、うちにお客さんを泊めてもいいかな?」

「お客さんだと?」

今度はお父さんが持っていた新聞から顔をあげた。

「うん、ちょっと遠いところから来た子供がいるんだ。」

あきらかにお父さんは、不機嫌な顔になった。

「なんで子供が遠いところから来るんだ?それに、なんでお前の知り合いなんだ?どこの子だ?夏休みだから、家出でもしてきたのか?」

「いや、ちがうよ。もっと遠いところ、あの、宇宙から。」

「いいかげんにしなさい。」

お父さんは怒り始めた。

「いったいどこの誰だ?」

あー、困った。

「では、ちょっとここに連れてくるよ。待ってて。」

ボクは、お父さんとお母さんの顔を見ないで、2階に駆け上がった。

 

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宇宙人のホームステイ 4

(4)

少しすると、頭の中で声がした。誰かが話しかけてきた。

「こんばんは。私はエアという星の学校の先生です。はじめまして。」

へえ、日本語だ。よかった。
ボクも返事をした。

「ぼくは、あきらという名前です。はじめまして。」

すると、また声がした。

「あきらくんにお願いがあります。
私の学校の生徒を、夏休みの間、あなたの家に泊めてもらえませんか?
ホームステイさせてもらいたいのです。
夏休みの宿題のレポートを書くためです。
私の生徒の一人が、訪問先に地球を選びました。
いつも宇宙を眺めているあきらくんに、ぜひお願いしたいのです。」

えー?宇宙人の子供が、ボクの家で過ごすの?
わー、すごい!
すごいことになった!

さて、どうしよう。

ボクはいいけれど、お父さんとお母さんはびっくりして気絶しちゃうかもしれない。
心臓がおかしくなっちゃうかもしれない。

ボクは、もう一度、返事をした。

「もちろん、ボクは嬉しいけれど、ボクの両親に聞いてみないといけないので、少し待っていてもらえますか?」

すると、また声がした。

「いいですよ。私たちはここで待ちます。」

さあ、さあ、さあ、どうしよう。

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宇宙人のホームステイ 3

(3)

ボクはびっくり仰天して、しりもちをついて、ひっくり返った!
窓の外の空に、円盤が浮かんでいたのだ!それは銀色に光っていた!

ボクは夏休みには、冒険をしたいと思っていた。
宇宙人に会いたいとか、UFOを見れたらいいなあ、とか、思っていた。

でも、こんなのっていきなりすぎる!
ボクの目の前に、銀色の円盤が浮かんでいるんだ。
どうすればいい?

しばらくボクは見ていた。どうしたらいいのか、分からなかった。

大声で叫んでお母さんを呼ぼうかと思った。
心臓がドキドキしている。
ほっぺをつねっても痛い。
何かしようと思っても、足が動かない。
びっくりしすぎて、気絶しそうだ。

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宇宙人のホームステイ 2

(2)

夏休みに入って、ボクは少し退屈してきた。
学校のプールに泳ぎに行ったりしてるけれど、もう少し冒険をしてみたい。

ある晩、ボクは天体望遠鏡で夜空を見ていた。

何年か前に、火星が地球に大接近したんだって。
ボクはまだ小さかったからよく覚えていないけれど、お父さんが、もしかしたら火星人が見つかるかもしれない、って冗談を言っていたのを覚えている。
 
夏の星座を本で確かめながら、夜空を見ていたときに、何かキラっと光るのが見えた。

ボクは、飛行機かな、と思ったけれど、少し気になった。
この家の上は、そんなに飛行機が飛ばないからだ。

ボクは、天体望遠鏡で、しばらく夜空を見回した。
特に何もないな、と思った瞬間、目の前が、銀色になった。
レンズの向こうが、銀色だけになったんだ。
ボクは天体望遠鏡が壊れたのかと思って、目をはずした。

そして、ふと外を見た。 

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宇宙人のホームステイ 1

宇宙人のホームステイ(1)

ボクは星を見るのが好きだ。

今、使っている天体望遠鏡は去年のクリスマスプレゼントにお父さんからもらったものだ。

真っ暗な空を見ていると、あのどこかに、もしかしたら人間がいるかもしれないと思う。
そう思うと、ワクワクがとまらなくなる。

宇宙に行ってみたい。
だから、ボクは宇宙飛行士になりたいな。

地球の外に出てみたいんだ。
つくばに行って、ロケットを見たり、宇宙飛行士の人達が訓練するプールとか、見学できるところを見てきた。

いつか、どこかで宇宙人に会ったら、握手しようと思う。ボクの持っている本を見せてあげたいし、ボクの大事なリモコンカーとか、いろいろ見せてあげるんだ。

宇宙人と友達になりたいなあ。

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